竹村絵実×吉村光弘 ダイアローグ4
●生徒さんのおかげで自分も生かされている
吉村:ヨガの仕事をする上で、あるいは誕生学のアドバイザーとして活動する上で、どんなことが楽しいというか、どういうところにやりがいを感じていますか?
竹村:全部楽しいです! 仕事を単純に楽しいって言ってはいけないのかもしれませんが、全部楽しいですね。
妊婦さんたちが、ヨガが終わった後に「ほんとうに気持ちがよかったです!」と言ってくださると、やっぱり嬉しいですね。
あと、言い方はちょっと失礼ですけど、顔を見て「この方はちょっと難産になりそうだな…」っていう方が、ヨガが終わった後に眉間にいつも皺が入っていたのがなくなっていたり、すごく顔色が良くなっていたり、別人のように優しい顔になっていたりすると、すこしは手助けになっているのかな~と。そう思うとすごく嬉しいですね。もちろんヨガだけの影響ではないとは思うんですけど。
それと、出産後の報告を強制しているわけではないんですけど、みなさんお産の様子や、ヨガで役に立ったポーズや説明などメールで送ってくださるんです。
「産後は目をあまり使わないで下さい!」って言いたいのですが、私も嬉しいのでつい受けてしまうんですが、それこそほんとうに長いメールをいただきますね。
「妊娠中で何が楽しかったというと、ヨガで仲間に出会えたことと(自分で言うのもなんですが)、先生の楽しい話でいつも笑えて、リラックスできて、妊娠中のストレスが全部吹き飛んで…幸せでした!」のようなことが書いてあると、もうウルウルで。やっていて良かったなあ~って思いますね。
吉村:それは嬉しいですよね。
竹村:自分もいろいろなことがあったので…。主人が亡くなって、ヨガをやっていなかったら、レッスンをしていなかったら、たぶんこんなふうにはいられないなと思うと、生徒さんのおかげで自分も励まされ、癒され、生かされているという感じで、いま本当に救われています。
産後のママヨガクラスでは、かわいい赤ちゃんに恵まれたとはいえ、初めての育児でわからないことだらけで不安に思ったり、疲れきっていたり、腰痛、おっぱいトラブル、骨盤底のゆるみから尿もれや痔などのマイナートラブル、夜泣きで眠れずうつうつしている方が多くて。
でも「ヨガをはじめてから肩こりがとれて、母乳の出が良くなりました!」「子供に優しく接することが出来るようになった」「大変なのは自分だけじゃないんですね~」などと言われると、「あ~良かった~」って思いますね。
ヨガ中に、赤ちゃんが泣いていると「チッ!」って舌打ちしているお母さんがいて、大丈夫かなって心配な場面がありました。ちょっと疲れがたまっているなあという感じで。お話を聞くと、ご実家も近くになくて、ご主人も帰りが遅くてほとんど一人で子育てをしている状態で、誰にも子育ての不安や相談もできずにストレスをためていて…。
ヨガ中に私がその方の赤ちゃんを抱っこして、あやしながらポーズをしていたら「なんか久しぶりにのんびり体を動かせて解放されました!」っていうことをその方が言われて。そういう時間が一時でもあると、赤ちゃんはもちろん安心するし、お母さんも安心するし、そうすれば赤ちゃんが泣くことも少なくなるので。「ぜひぜひ毎週来てください!」って。
そういうお母さんのヨガの後の顔ですね。それを見るだけで幸せです! やっていて良かったなって思います。