竹村絵実×吉村光弘 ダイアローグ3
●生まれてきてくれてありがとう」と思えるための手助けがしたい
吉村:誕生学がどういうものか、かんたんにご説明いただけますか?
竹村:はい。誕生学は子供の自尊感情を高めたり、自他尊重ということを大事にすることを伝えるのが中心というか、「自分は生まれてきてよかったんだ」っていうふうに子供が思えるような授業なんですね。
今の日本の子供達ってなぜか自尊感情が低いようで、「自分のこと好きですか?」ってきくと、「自分のことが好きじゃない」とか「自分なんか勉強もできないし、運動もできないし、生まれてこなければよかったんだ」なんていう子供が多いようなんです。
他の国だと「自分が好きです」とか「自分に自信があります」っていう子どもが多いですけど、日本人はこれだけ恵まれていても自分のことが嫌いだったり、親に「生まれてきてくれてありがとう」っていうことを言われていない子が多くて、「お前なんか勉強も出来なくて、痛い思いしてうまなきゃよかった」とか「お兄ちゃんは出来るのに…」なんていう感じのことを親に言われたり…。
そうして子供が自分に自信をなくしてしまうことから、自殺だったり、いじめだったり、あるいは自分を大事にできないことから、たとえば性感染症にかかったり、望まぬ妊娠に繋がっていくと思うんですね。ちょっと話が広がってきてしまいますけど。
小学校3~4年生ぐらいの時に、いのちって大切で、生まれてきただけでもすごいんだよ、ということを伝えると、子供たちも自分を好きになり、その結果、自分も他人も大切にしようという方向に行ってくれるかと…。親自身も子供時代に愛情をたっぷりうけていない方が多く、被害者でもあるんですけどね。
子供に「生まれてきてくれてありがとう」って親も思えるための手助けを、アドバイザーとしてしたいなと思っています。
吉村:誕生学のお話を聞かせる対象となるのは、小さなお子さんだけではなくて…
竹村:はい、もちろんお母様方とか保護者向けでもあります。基本は、子供たちですが。詳しい講座内容は、私のブログをチェックしてみてください(笑)。
今度機会があったら聞いて欲しいんですけど、骨盤モデルと赤ちゃん人形があって、こういうふうにお腹の中で過ごしていたんだよとか、こういうふうに生まれてきたんだよとか、パネルもリアルなものがあり、3ヶ月目の時にはお腹でこんなことをしていましたとか、指しゃぶりしていたのは、おっぱいやミルクを飲む練習をするためにお腹の中でもがんばって練習していたんだよとか、そういうことを45分かけてレクチャーするんですね。
80%の子供が5歳ぐらいまでによく親に、「ぼくって、どこから生まれてきたの?」「わたしってどうやって生まれてきたの?」って訊くと言われてますが、その時に親が、その質問をたんに性的なイメージでそのまま受け止めてしまって、「そんなことパパに聞きなさい!」とか「そんなのまだ早いんだから、いいの!今は」とか、そういうふうになりがちだと思うんですね。
吉村:そうなりがちでしょうね。
竹村:でも子供が知りたいのは、本当はそんなことではなくて、お腹の中で自分は何をしていたのかとか、自分はどうやって生まれてきて、その時にみんなはどんなふうに感動して迎えてくれたのかっていうことなんですけど、親とはその辺りがずれているんですね。
それで、その質問がなにやら秘め事みたいになってしまって、その類のことは親に聞いてはいけないし、タブーなんだっていうふうに子供が思ってしまう…。そうするとネットとか雑誌とかの不適切な性の情報で、子供たちの目線や関心が、正しい知識を得ずしてそっちのほうに行ってしまう。
でも、小さいうちからこういうことをちゃんと教えておくと(大葉さん曰く、正しく、やさしく、ロマンティックに!)たとえば子供がお風呂とかで「今日こういう漫画を読んだんだけど、これってな~に?」とか親に相談も出来るので。性教育っていうとちょっと大げさなんですけど、子供を守るという意味ではいいと思います。
吉村:なるほど。僕も大葉ナナコさんの本は何冊か読んでいるので、誕生学については知ってはいたのですけど、何となくしか知らなくて、今日はお話が聞けてよかったです!
竹村:男性でもアドバイザーの方がいるみたいなので、よければ資格をとってください(笑)。
吉村:いいですよね、誕生学。
竹村:これは!って思って。二歳の娘にも今から話していて、でも職業柄、いろいろと話しすぎていて、外で娘が「おしっこの出る道と、うんちの出る道と、大切に守られているその真ん中には、いのちの道があります!」って声高に言っていると、「あ、まずい…」って(笑)。
吉村:(笑)
竹村:まあ、いいことですけど、変わっているって思われてしまうかな~と少し気にかけながらも、そんな感じで今から教えています(笑)。
講座は、変わった子を作る(笑)内容にはなっていませんのでご安心ください!!!
吉村:娘さんの成長がいまから楽しみですね!