三門久美子×吉村光弘 ダイアローグ4
●ドゥーラの仕事のやりがい~料理のこと~
吉村:いろいろなお宅にお伺いすると思うのですが、実際に産後ドゥーラのお仕事をする上で、どんなところにやりがいを感じますか? どんなことが楽しいですか?
三門:私の場合は、やっぱり料理をすることですね。料理は産後のからだにとって消化の良いものを提供しています。母乳に良いもの。からだを温める根菜系とか、お野菜中心の和食ですね。
吉村:基本的には、松が丘助産院で勧めている食事をベースにしているのですね。
三門:そうですね。基本は、「出汁」をしっかりとっています。それを煮物に使ったりとか、油の代わりに出汁で炒めたりとかしています。
ドゥーラが作るご飯は、油と砂糖とみりんを使わないのですね。玉ねぎとかにんじんとか金時豆なんかでも、コトコト煮ると素材自体の甘みが出ますよね。
私も最初は「肉じゃが」とかは、お砂糖がなくて美味しいのかな?と思っていたのですが、食材をお出汁にしっかり煮含めた後に、最後にちょっとお醤油を入れるぐらいなんですね。
それでも、しみじみとしていて、甘ったるくなくて、美味しいですね。糖質は、ご飯で取れますし、油分もお肉やお魚、ごま等で取れますから、サラサラした、いい母乳を出すために、あまり油を使わないのです。
まあ、全く使わないというわけではないのですが、使ったとしてもできるだけいい油というか、良質のごま油、オリーブ油とかですね。
あとはもちろん、個々の好みもありますし、上のお子様の「ハンバーグが食べたい!」とうリクエストがあれば作りますし、パートナーからお肉が食べたいというご要望があれば、そういったものもお作りしています。
吉村:いわゆる「マクロビオティック」とは違うのでしょうか?
三門:完全な「マクロビ」ではないですね。お肉やお魚も使いますし。でも考え方としては、近いところもあると思います。
吉村:基本は、できるだけシンプルというか、ナチュラルなもので素材を活かした料理ということですね。
三門:そうですね。でもまあ、連日和食ばかりですと、正直飽きてしまいますし、毎回ストイックにしているわけではありません。
なので、たまにミネストローネとか、スープなども洋風にしたりして、その時に冷蔵庫にある食材に応じて、また、いろいろとご本人やご家族のご希望も聞いて、擦り合わせながらご飯を作っています。